EventGeneratorExample

Event generatorについて

ソフトウェアのインストール

使用する外部ソフトウェア

名前

バージョン

用途

ホームページ

MG5_aMC

2.4.0

ハードな散乱過程の記述

LHAPDF

6.1.6

陽子のパートン分布

HepMC

2.06.08

共通のデータ構造を規定したC++ライブラリ

Pythia8

8.2.19

パートン・シャワー、ハドロン化

FastJet

3.2.0

ジェット・アルゴリズム

自分たちで開発したパッケージ

McData

ROOT TTreeに保存するためのデータ構造と変換のための関数たち

ExPythia

Pythia8のメイン関数を少し修正したもの

McDataとExPythiaはお茶大のSubversionレポジトリで管理されている。 お茶大のレポジトリを使用する際は、CppTutorialの最初の方を参照するとよい。

svn co ${OCHA_SVN}/Lab/Phenomenology/trunk dev

とすると、手元のディレクトリにdev/というディレクトリが新たに作られ、その下にMcDataとExPythiaがある。これらのパッケージではPH_SW_DIRと呼ばれる環境変数に設定されたディレクトリにソフトウェアをインストールする。環境変数の設定はセットアップ・スクリプトで行うとよいが、以下のコマンドで設定できる。また、実行時のパスの設定も行う。

export PH_SW_DIR=/tmp/$USER # ここに適切なディレクトリを設定する
export PATH=${PH_SW_DIR}/bin:${PATH}
export LD_LIBRARY_PATH=${PH_SW_DIR}/lib:${LD_LIBRARY_PATH}

その他のソフトウェアをダウンロード、伊ストールするにはExPythia/files/install_sw.shを使うと便利である。 このファイルの上の方にあるディレクトリを適当に設定すれば

./install_sw.sh

とすれば数分~数10分で全てのパッケージのインストールが終了する。

その後、McDataとExPythiaもコンパイル、インストールする。

事象生成

事象を生成するには、次のようにいくつかの手順が必要だが、それらをまとめて行うためのスクリプトをExPythia/files/generate_events.shに用意してある。

これら一連の手続きを実行するには、

generate_events.sh 'p p > j j' /tmp/$USER abc.root

のように、スクリプトの引数に(1)散乱過程、(2)出力ディレクトリ、(3)出力ROOTファイル名を指定する。

事象データの解析

> root
root [0] .L libMcData.so
root [1] TFile* f = TFile::Open("abc.root");
root [2] TTree* t = dynamic_cast<TTree*>(f->Get("LHEF"));
root [3] t->Draw("Jet.v4().Pt()");

粒子に関する情報

PID

PDG ID MCNumbering参照

Status

粒子のステータス番号

Mother1

親粒子の番号

Mother2

親粒子の番号

ColorLine1,ColorLine2

カラーの流れ。あまり使わない

Px, Py, Pz, E

4元運動量

M

質量

PT

横運動量

Eta

擬ラピディティ

Phi

極座標におけるφ

Rapidity

ラピディティ

Lifetime

寿命?

Spin

粒子のステータスは

status==1

終状態の安定粒子

status==2

終状態の不安定粒子(崩壊した粒子)

その他

個々のgeneratorによって違う

始状態の粒子については、いくつか事象のデータを確認して調べる必要がある。

終状態の粒子の解析は基本的には、status==1の粒子のみを用いて行う。これらの粒子が実際に実験で測定器に入ってくるものである。

ジェットに関する情報

PdgId

PDG ID

Status

ステータス

P[4]

4元運動量

NConstituents

ジェットに属する粒子の数

FlavourTag

フレーバー同定の結果

未実装の変数

調べること

陽子・陽子衝突によるジェット生成過程について、

  1. 終状態の粒子数、粒子のpT, eta, phi分布
  2. |eta|<2.5に含まれる粒子の数、pt, eta, phi分布(測定可能な領域)

  3. |eta|<2.5に含まれる粒子のPDG ID。崩壊前の粒子についても。

  4. |eta|<2.5に含まれるジェットのpt, eta, phi分布

  5. |eta|<2.5, pt>30 GeVのジェットが生成する場合の始状態のパートンの組み合わせ

  6. |eta|<2.5, pt>30 GeVのジェットが複数存在する場合、それらの相関(エネルギー、eta, phi, dR)

  7. |eta|<2.5, pt>30 GeVのジェットについて、粒子の個数、ジェットに広がり、終状態のパートンとの相関

さらにサンプルを増やして30 GeVから1 TeVまでのジェットについて調べる

  1. ジェットの元となったパートンの種類によってジェットの性質に違いがあるか
  2. ジェットのフレーバー同定のために、ジェットを構成する粒子の2次生成点を調べる

EventGeneratorExample (最終更新日時 2016-06-07 01:37:27 更新者 TakanoriKono)