卒業研究2016

シリコン検出器

2015年度の続き。

APDの特性

2015年度の続き。

飛跡検出のためのパターン認識

粒子の飛跡を測定するためには、高精度の位置分解能をもった検出器を大量に用いて粒子が通った飛跡上の点をできるだけ多く測定する。すると、多数の点(位置座標)が得られる。複数の粒子が同時に発生して検出器に入射し、かつ検出器自体にノイズによって生じた測定点が含まれる場合、粒子の飛跡を求めるためには通常二つの段階に分けて考える。

パターン認識

多数の点の中から同じ飛跡に属すると点を選んでくる。

飛跡パラメータの計算

飛跡に属する点の集まりが決まったら、それらの点を全て通る飛跡として最適なものを求める。このためには通常、直線や螺旋といった飛跡モデルを仮定して、そのモデルの範囲内で最適なパラメータを求める。

パターン認識とパラメータの推定(最小二乗法)を同時に行うものとしてKalman filterと呼ばれる方法があり、多くの実験で用いられている。

ジェットの性質とフレーバー同定

高エネルギー・ハドロン衝突は、クォーク・グルーオン同士の散乱とみなすことができる。ハドロン散乱を理解する上で必要となる概念を学ぶ。

ハドロン散乱のシミュレーション(Event generator)では、これらを考慮した上で実験で得られるのと同様に多数の事象として計算結果を出力してくれる。Event generatorを使ってジェット生成反応を調べて、上であげた特徴を検証する。また、LHCで実際に測定を行う上でこれからの課題でもある高エネルギーのジェットに対するフレーバー同定の方法と性能を調べる。