素粒子物理の実験ではデータの取得や解析等、様々な場面でプログラミングが必要となり、標準でLinuxを搭載した計算機を用いることが多い。今後Linux上でプログラミング、データ解析、レポートや論文の作成を行っていくことになるので、その基本的な使い方を解説する。 研究室にあるLinux計算機は基本的に全てSLC6をインストールしてある。(2013年11月)

ログイン

Windowsからログインする場合

PuttyとXmingという無料のソフトウェアをインストールして使う。

Xmingをインストール後、Windowsのタスクバーに「Xming Server」が起動していることを確認する。その後は、putty.exeを実行して接続先のLinuxマシンのホスト名またはIPアドレスを入力する。但し、最初に使うときに一度だけConnection -> SSH -> X11の設定で"Enable X11 forwarding"を有効にしておく。この設定とXmingによって、Linux上の画面データをWindowsで表示できるようになる。

慣れてくれば、上の無料ソフトで十分だと思われるが、有償のExceedというソフトを使う方法もある。

Macには、上のPuttyとXmingに対応するプログラム(sshコマンドとXQuartz)がある。XQuartzはデフォルトでインストールされていないことがあるので、その場合は自分でインストールする。その後、ターミナルを開いて{{{ssh -XY <アカウント名>@<接続先のマシン名またはIPアドレス>で利用できるはずである。

Linuxの基本的な利用法

普通のパソコンでは、グラフィカルな操作性を備えたソフトウェアを多く使うが、Linuxで効率良く仕事をするためにはコマンドラインによる操作を覚える必要がある。最初は少し抵抗があるかもしれないが、慣れれば非常に使いやすい。

ターミナル
コマンドを入力するための画面。

"Applications" -> "System Tools" -> "Terminal"と選択すると立ち上がる。

ファイルとディレクトリ
LinuxでもWindowsのファイルやフォルダーと同じ概念があり、通常ファイル、ディレクトリと呼ぶ。ターミナル上でディレクトリ間を移動したり、ファイルをコピー、編集したりもできる。
ブラウザ、メールソフト
Webページを閲覧するためのブラウザやメールの読み書きを行うためのソフトウェアも存在する。(Web browser: firefox, Mail software: thunderbird)。それぞれコマンド名をターミナルで入力すると起動する。
ファイルの編集
良く使われるのはemacsと呼ばれるプログラムである。ターミナルで"emacs"とコマンドを打つと起動する。

日本語の入力

Linux上で日本語を入力するのに、IBus+Anthyというものを用いている。利用するのには、まず以下の設定を行う。シェルの環境設定を行うファイル(.zshrc等)で以下の設定を記述する。

export GTK_IM_MODULE=ibus
export XMODIFIERS=@im=ibus
export QT_IM_MODULE=ibus
#ibus-daemon -d -x

最後のibus-daemon -d -xは、自動的に起動するようにStartup Applicationに登録しておいた方が便利である。そのためには、System -> Preferences -> Startup Applicationsでダイアログを開き、新しくプログラムを追加する。

以上の設定で日本語入力が可能となる。但し、この状態ではfirefoxやthunderbird等で日本語入力を行うには、これらのプログラムをターミナルから開く必要がある。デスクトップ上のアイコンやツールバーからプログラムを選んで起動した場合、日本語入力が利用できない。

プログラムの中で日本語入力に切り替えるには、Ctrl+Spaceと入力すればできる。再びCtrl+Spaceとやればアルファベット入力に切り替わる。