素粒子物理についてのゼミ
前提とする知識
3年生までの講義や演習でしっかりと学んでおくこと。
- 解析力学
- LagrangianやHamiltonianによる定式化
- 物理法則の座標変換に対する不変性が何故重要か考える
- 電磁気学
- 電磁気現象
- Maxwell方程式やテンソル記号に慣れておく
- 特殊相対性理論、ローレンツ変換
- 量子力学
- 量子力学の定式化、どのように物理現象を捕えるか
- 水素原子のエネルギー準位がどのように導かれるか説明できること
- 波動関数による定式化と代数的な定式化
- スピンはどこから出てくるか?
- 散乱問題をどのように扱うか
- 数学
- 線型代数
- 偏微分、複素関数論の初歩、フーリエ変換
素粒子物理の研究を始める前に知っておきたいこと
基本的な問題
- 原子核が複数の陽子と中性子から構成されているとして、どのように結合しているのか。
放射性元素ベータ崩壊(n->p+e+ν)のように粒子の種類が変化する反応をどう扱うか。
これらは、古典力学、電磁気学、量子力学、統計力学の基礎的な知識だけでは扱うことができない。最初の問題については、核力という新しい力が自然界に存在していると考えるのが自然であるし、2つ目の問題では、反応によって粒子が消えたり生まれたりする現象を扱える理論的な枠組みが必要である。このような新しい問題をどのように記述し、さらに深く素粒子の世界を調べるためにどのような方法を用いているかを理解することが目的である。
- 現在の素粒子モデル
- クォークとレプトン
- ゲージ粒子
- 量子力学の散乱問題
- フェルミの黄金律、断面積、崩壊率
- 状態の時間発展
- Schrodinger描像、Heisenberg描像、相互作用描像
- 摂動論
- Dirac方程式、反粒子
- 相対論と量子力学の融合
- Dirac方程式の解と反粒子としての解釈
- Dirac方程式の対称性
- 散乱実験
- ラザフォード散乱
- 形状因子
- 陽子の構造
- 非弾性散乱、共鳴状態
- ハドロン
- ハドロンの分類。質量、電荷、スピン、寿命、生成・崩壊過程
- クォーク模型
- フレーバー対称性、SU(2)、SU(3)、SU(4)
- 中性K中間子
- Pの破れ
- 混合、Cabibbo行列
- 場の量子化
- 調和振動子と生成・消滅演算子
- Lagrangianによる記述
- 電磁場の量子化
- Fock空間
- 運動項、相互作用項
- 対称性と保存則、ネターの定理
- Dirac場の量子化、反交換関係、フェルミ統計
- 摂動論
- Fock空間、時間発展
- S行列、T行列、散乱振幅
- 断面積、崩壊率
- T積、N積、Wickの定理
- Feynmann図
- ベータ崩壊
- 4点結合
- パリティーの破れ
- 右巻き、左巻き
- 2成分スピノル
- 質量項
- 素粒子間の相互作用
- 電磁気の場合
- 粒子場、電磁場、ゲージ不変性
- 非可換ゲージ理論、QCD、EW
- W/Zボソン
- 弱い相互作用の理論
- 対称性の破れと質量
- ヒッグス機構
発展的な内容
- 摂動の高次の振る舞い
- 無限大、発散
- 繰り込み、相殺項
- 結合定数のスケール依存性
- パートン分布
- 深非弾性散乱の運動学と構造関数
- スケーリング則
- スケーリングの破れ、DGLAP発展方程式
- 構造関数とパートン分布関数
- パートン分布の測定
- 陽子・陽子散乱
- 漸近的自由性
- パートン分布、摂動論
- CP対称性の破れ
- CP対称性破れの実験
- CKM行列
- B中間子
- 標準模型
- 登場する粒子たち
- Lagrangian
- 最近の研究
- B中間子のCPの破れ
- ニュートリノ振動
- ハドロン散乱による新粒子探索
- 稀崩壊過程の探索